旗国主義とは何?わかりやすく意味や内容をチェック

日本経済新聞の記事で、クルーズ船の「旗国主義(きこくしゅぎ)」についてまとめられた記事がありました。

英国籍の同船には日本の法律や行政権を適用できない原則があり、対応を複雑にした。国際法上の「旗国主義」がこうした船舶内の感染症対策で落とし穴となっている。

日本経済新聞

これを読んでいて、「そもそも旗国主義とはなんだろう?」と思った方も多いかもしれません。あまり聞き慣れない言葉ですし……

今回は、旗国主義とはどんなものなのか、分かりやすく解説していきました。

旗国主義とは「船の所有国の法律が適用される」こと

旗国主義(きこくしゅぎ)とは、どこの公海にいても、その船が属する国の法律が適用されること。

国際法では、公海上にある船は、その船の「所属国」が取り締まることになっています。公海とは国家が領有したり、支配することができない海域のことですね。

今回のダイヤモンド・プリンセスの船は、イギリスが所有しているものです。そのため、日本の法律を適用することができず、対応に遅れが出たところもあった部分が指摘されていました。

なぜ所属国の法律が使われるのか?

例えば、公海上で犯罪をした人について考えてみます。

公海はどの国も領有権を持っていないので、法律がありません。法律が適用されないとなると、公海上の船舶で事件や事故が起きたとき、どのように裁くのか……という問題が出てきます。

地上でやらかしても、誰のでもない公海なら大丈夫、というわけにもいきません。

そこで考えられたのは、船舶をどこかの国に登録する制度です。公海上にある船に対して、その登録国(=旗国)の法律を適用することにしました。これが、船の所属国の法律が適用されるようになった経緯ですね。

船の安全な運行・設備の投資・法令の遵守を求めるのは、その船を持っている国にあります。船舶に対する管理責任も、船を所有する国です。

要は「モノを持っている国の責任にする」というわけです。

旗国主義には”例外”もある

ただし、旗国主義には例外もあります。日経新聞では、以下の4つが紹介されていました。

例外として(1)海賊行為(2)奴隷取引(3)無許可の放送(4)無国籍や国籍を偽る――という外国船舶の取り締まりを認める。今回のような感染症拡大の防止は想定していない。

日本経済新聞

わかりやすいのは、「海賊はどこの国でも逮捕・裁判などできる」ことでしょうか。船の上で決闘していたとしても、その行為によって国に迷惑がかかるようなことがあれば、その船を所有していなくても捕まえることができる……ということです。

公海はどんな国・人からも領有されません。誰にでも利用が認められた領域として、漁業・航行の「海洋の自由」が国際的に受け入れられてきた歴史があります。

ローマ帝国時代から19世紀に至るまで、海は万民の共有物とされ、公海はいかなる国民の領有に服さず、自由な利用が認められた領域として、「漁業の自由」と「航行の自由」からなる「海洋の自由」が国際的に受け入れられてきた。

ジェトロ

しかし、海洋資源を保護するために「海洋法条約」が1994年に制定され、漁業はUNCLOS(国連海洋法条約)によって管理されることとなりました。航行についても、海上のテロや犯罪などに対処するため、旗国主義に移ってきた経緯があります。

上記では対応しきれず、緊急であることについては、例外として定められているんですね。

まとめ

旗国主義について、どんな内容なのか分かりやすく紹介していきました。

今回のコロナウイルスについては、日経新聞で

ダイヤモンド・プリンセス船はイギリスの所有物だから、日本の法律で感染をふせぐ権限を持つことができなかった

ことが指摘されていますね。

こんな法律の適用基準があったんだな〜という勉強になりました(´・ω・`)

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