
2020年に放送されるドラマ「半沢直樹」は、原作でいう
- ロスジェネの逆襲
- 銀翼のイカロス
の2つから構成されています。
ドラマに即したネタバレとして簡単にまとめると、
半沢直樹は出向先の東京セントラル証券で、銀行と企業の「粉飾」を見破り、東京中央銀行に戻ってくる。
その後、政治家と銀行の「汚職」を見抜き、大臣・頭取を含む重役たちが辞任していく
という内容です。
今回は、半沢直樹の続編ドラマにおける原作のネタバレについてまとめました。
目次
ロスジェネの逆襲
椅子取りゲーム
東京セントラル証券(以下、証券)に出向している半沢は、部下の森山・同じ出向組の諸田とともに、電脳雑伎集団(以下、電脳)の平山社長と対面する。
東京スパイラルを買収するためのアドバイザーとして相談に来たが、まだ若く経験のない森山は、買収案件の担当から外され、代わりに能力の低い三木が入ることとなった。
だが三木をリーダーとしたプロジェクトチームは、一週間経っても具体案を出せず、迷走。
半沢のアドバイスによりなんとか取りまとめたものの、電脳と連絡なしで進められたことに平山が怒ってしまい、証券ではなく銀行とアドバイザー契約を乗り換えられることとなった。
しかし、アドバイザー案件の話は証券としかしていないのに、銀行が知っているのはおかしい……
半沢はプロジェクトチームを集め、銀行がどこからアドバイザー案件の情報を手に入れたのか、出所を探るよう伝えた。
奇襲攻撃
しばらくして、三木は銀行の証券営業部に栄転することとなり、証券を去った。
一方、銀行と契約した平山は、銀行の電脳アドバイザリーとなった伊佐山・野崎と対面。
「時間外取引による公開買い付け」により、東京スパイラルが発行する株式の約30%を取得する買収計画を伝えられた。
ホワイトナイト
東京スパイラルの瀬名社長は、株式が買収される事態に頭を悩ませていた。
太洋証券から「新株を発行し、パソコンと周辺機器販売の大手であるフォックスに株を持ってもらう」ことで買収阻止することをアドバイスされたが、根本的な解決にはならない。
じつは瀬名社長、証券の森山とは中高の親友で、借金を理由に別れた過去を持っている。
一連の話題によって瀬名の存在を知った森山は、半沢の後押しにより数十年ぶりに連絡を取った。これをきっかけに半沢たちとも出会い、瀬名は再建に向けた情報を証券に提供するようになった。
舞台裏の道化師たち
電脳との面談を終えた森山は、その帰りに電脳のフロアに入っていくフォックス・郷田社長を目撃する。
不思議に思った森山は、フォックスと電脳について調査を始めると、どちらもメーンバンクが東京中央銀行であることを知った。
フォックスと電脳の間で裏取引があるかもしれないと考えた半沢は、異動した三木に「電脳の情報をリークしたのは誰か」と詰め寄ると、自分ではなく諸田が漏らしたことを暴露。
(諸田の私物パソコンに電脳との打ち合わせメールの送信画面を見た三木は、このことを黙ってくれたら証券営業部に異動させてやるという交換条件をのんだ)
諸田も証券営業部に異動することを明らかにした半沢は、反論できない三木に対し、銀行の買収スキームとフォックスに関する情報を徹底的に集めるよう指示する。
後日、三木から
- 融資される金額はすべて、東京スパイラルの新株予約権の購入資金となっている
- 太洋証券はアドバイザー料だけでなく、様々な手数料が入る仕組みになっている
- フォックスは、巨額損失による経営破綻の危機にある
ことを伝えられ、半沢と森山は「郷田社長はホワイトナイトではなく、電脳の刺客である」ことを確信した。
コンゲーム
証券が東京スパイラルの正式なアドバイザーとなり、半沢はフォックスの逆買収を提案する。
融資をしたのは東京中央銀行である根拠(内部告発で得た東京スパイラル買収計画の書類)から、裏取引した事実を太洋証券に突きつけ、フォックスをホワイトナイトにする当初案を破棄させた。
東京スパイラルがフォックスの買収を決め、公開買い付けを実施することを聞いた伊佐山は混乱。
買収案件を成功させるため、裏で役員会を説いてまわっている黒幕・副頭取の三笠に相談する。
電脳人間の憂鬱
郷田は、電脳と組んで瀬名を騙したことを謝罪。
公開買い付けは続けようとしたが、平山から状況が変わって投資するメリットが無くなったと告げられ、縁を切られる。
投資失敗による巨額損失の資金繰りができなくなったため、瀬名の買収提案を飲み込むことにした。
ガチンコ対決
郷田は自分の会社を買収する理由を瀬名に聞くと、サンフランシスコの子会社・コペルニクスに価値があることを伝えられる。
底をついている株価を引き上げ、電脳と銀行に買収されないよう、一役買ってもらうことを告げられた。
後日、半沢たちはコペルニクスと東京セントラルの「全米最大の通販サイト成長計画」をマスコミにリーク。市場の株価を上げさせ、電脳と銀行の買収を阻止した。
伏兵の一撃
一方、平山との不和により電脳を退職した玉置と出会った半沢たちは、平山が最初に東京セントラル証券に話を持ってきた理由として「知られてはまずいことを銀行が握っていた」と伝える。
後の調査で、電脳の子会社であるゼネラル電設に秘密があることを知り、情報収集をはじめる。
ロスジェネの逆襲
電脳と銀行のつながりの真相を知った半沢は、かつての銀行の上司・内藤の仲介によって、銀行の取締役会に出席。
頭取たちのいる前で、
- 証券営業部の稟議書にはゼネラル電設の営業譲渡と資金還流について一言も触れられてない
- 評価額と売買価格の差額分(180億円)は、売り上げとして電脳に資金還流されている
- 東京中央銀行はゼネラル産業グループのメーンバンクで、資料を持つ銀行が精査できない
ことを根拠に、
平山夫妻が電脳の赤字決算を隠すため、ゼネラル産業の子会社買収を確約する代わりに、営業譲渡で資金還流させて利益を見せかける「粉飾」が真の目的だと断言した。
銀行の支援なしには窮地を脱することができなくなった平山は、社長を辞任。
めちゃくちゃになった電脳を再建させるため、中野渡頭取は三笠・伊佐山を電脳に出向させることを決めた。
後日、半沢は営業第二部第一グループの次長に異動する辞令を受け、銀行に戻った。
銀翼のイカロス
ラストチャンス
東京中央銀行の営業第二部長・内藤に呼ばれた半沢。
中野渡頭取の意向により、業績悪化している「帝国航空」の債権回収の対応をするよう言われた。
冷静に事業内容を考えていけば破綻の危機にあるのだが、国がからむ既得損益のため、一筋縄ではいかない。もともと業務を抱えていた審査部・曾根崎も、誰がやっても同じ案件だとマイナス思考である。
それでも半沢は、修正再建案を作成・提出。しかし、航空側から案を受け入れられないと撤回された。
そんな中、衆議院選挙において憲民党を破って進政党が勝利。政権交代が現実となる。
国土交通大臣となった白井から、修正再建案を白紙にもどし、帝国航空再生タスクフォースを立ち上げて再建させると発言された。
霞が関の刺客
タスクフォースのリーダーに任命された弁護士・乃原は、半沢に対し
- 帝国航空のコストダウン
- 銀行の債権放棄
を要求する。
半沢は、帝国航空のメーンバンクである開発投資銀行の女性次長・谷川に、債権放棄の対応を聞くと、「個人的には反対しているが、当行としては存在に関わることであり、政府系金融機関なので飲み込む」と話される。
一方、帝国航空からは減便・撤退リストのタスクフォース案が出たことを告げられる。
進政党の箕部が建設した空港が撤退リストから外されていたことに、半沢は不信感をもった。
女帝の流儀
中野渡頭取のもと、半沢は常務・紀本と曾根崎とともに、白井・乃原らと面談。
乃原たちに「最初から債権放棄を拒絶するつもりなのでは?」と問い詰められるが、半沢は反論。白井たちを怒らせた。
また、紀本は曽根崎から、帝国航空の与信状況について金融庁(黒崎検査官)からヒアリングがあることを聞く。半沢の耳にも内藤経由で届き、分類されないよう促された。
金融庁の嫌われ者
ヒアリング当日。黒崎は、半沢に再建計画の実現性について問う。
業績は悪化しており、報告された減便数・人員削減の数が違うことを指摘され、半沢は驚愕。以前から担当していた曾根崎は「検討中の素案が渡されていた」と釈明し、自己責任を回避しようとした。
半沢は、曾根崎が再建案の数字を書き換えたのかと考え、調査をすすめる。
結局、山久から正確な書類をもらって裏を取り、曾根崎に突きつけたことで謝罪させることに成功した。
策士たちの誤算
金融庁から頭取に対し、東京中央銀行に業務改善命令と意見書が下される。
乃原を筆頭とするタスクフォースからも債権放棄を申し入れられた。
しかし半沢たち東京中央銀行は、谷川から開投銀の民営化案が閣議決定したことを聞き、債権放棄を拒絶。
債権放棄は廃案となり、乃原たちはメンツをつぶされ、紀本の評価は地に落ちた。
検査部と不可解な融資
半沢は、帝国航空にかかわる旧東京第一銀行(以下、旧T)時代の案件を精査していた田島から、箕部の個人融資が見つかったことを知らされる。
書類上では担保の設定が5年後に設定されているにもかかわらず、審査部では無担保扱いとなっており、通常の融資ではありえないことに不思議がる。
半沢は、紀本がタスクフォースに肩入れしていた理由とともに、箕部と旧Tの関係を調べることにした。
当時の融資担当だった灰谷に話を聞くが、過去のことで知らないとシラを切られる。
半沢が新人のときの上司である富岡の協力のもと、銀行内でも数人しか知らない書架において、旧T架空の店舗で問題貸し出しをしていたことが発覚した。
その中には、
- 担当者が灰谷、捺印欄には紀本のハンコが押された20億の融資案件
- 振込先は、帝国航空の関連会社が取引している舞橋ステート
となっている書類も見つかり、半沢たちは舞橋ステートを調査することにした。
隠蔽ゲーム
富岡の助力により、灰谷が書庫に隠していた「20億の融資が実行された決算書」を発見する。
逃げ場を失った灰谷は、これまで隠してきた旧T時代の隠蔽された融資とともに、知っていることをすべて話すこととなった。
半沢たちは20億の金の流れをつかむとともに、
- 利益は箕部ではなく紀本が管理していた
- 舞橋ステートではコンサルティング料として、箕部に支払いされていた
ことを知った。
そのころ乃原は、中野渡頭取と接触。
箕部が資金使途とは別の目的にカネを使ったことを指摘し、表沙汰にしたくないなら債権放棄を受け入れるよう要求し、一週間後の記者会見で回答するよう迫った。
信用の砦
乃原、白井、箕部たちがセッティングした記者会見の場に、来るはずの中野渡ではなく半沢と山久が登場。
- 帝国航空は自主再建が可能であること
- 白井が旧政権の再建案を中身を確認せずに否定したこと
- 箕部の送金記録の証拠メモを提示し、5年間無担保で個人融資していたこと
をマスコミの前で話し、再度債権放棄を断った。
銀行・政治・カネの問題が世間に露呈されたことから、
- 白井は国交大臣を辞任
- 紀本は常務から降ろされる
- タスクフォースは空中分解(乃原たちのその後は不明)
- 中野渡は責任をとって頭取を辞任
という結果で物語は終わる。
まとめ
本来なら、もっと多くの登場人物がストーリーにからんできます。
ただ、主人公の「半沢直樹」の視点にしぼって物語を追ったほうが分かりやすいため、あまり本編とのつながりがないキャラは省略しました。
原作とドラマを比較しながらチェックしてみると面白いかもしれません。