
安倍首相の次に総理大臣となるべき人物は、いったい誰なのか……
任期満了前に辞任の意向を表明したことから、一気に”次期総理”の有力候補について話題に登るようになってきました。
憲政史上、最も長い「長期政権」となることは確定しているので、次の候補にどれだけ注目が集まるのかってことは、想像に難くありません。
そこで今回は、「次の総理にふさわしい人物は誰か?」という視点から、各種メディアの意見をもとにランキング化してみました。
目次
安倍首相の任期はいつまで?
安倍首相の任期が満了するのは、2021年の9月末。
与党である自民党が議会の過半数を占めているため、自分で辞任を表明しなければ、2021年までの続投は決定しています。
自民党の総裁任期について
自民党の総裁任期は、1期ごと(3年)に区切られるルールがあります。
2017年までは2期(6年)まででしたが、第二次安倍政権が生まれた際に「政治の流れをストップさせない」ことから、3期(9年)までの延長が決定しました。
身近な例で挙げれば、震災の後処理とか10年スパンで復興事業を組んでいましたからね。急に変わってしまうと混乱しそうですし、延長には同意(´・ω・`)
ただ、満了時の2021年は東京オリンピックとかぶることから、4期目(12年)に延長する声も上がっているようです。このあたりは、来年くらいに結論が出るのかな?と思います。
有力候補ランキング
仮に2021年9月で総裁が変わるとして、どんな人物が有力候補となっているのか?ランキング形式で紹介していきます。
1位:茂木敏充

経産相、党政調会長
首相の信頼が厚く、政治能力も高いと評価されているのが茂木氏。個人的には、いちばんの有力候補なのでは?と感じています。
それほどメディアに出ていない印象ですが、批判的な意見のTwitterでも、珍しく肯定的なツイートが多く見受けられました。
人柄がよくなり、仕事もできる!
周囲に求める仕事の厳しさから批判的な声もあったものの、外務大臣になってから人柄が良くなり、ジャーナリストの田崎さんからは「こんなに頭と人柄がいい人がいるのか」と高い評価を得ているんですよね。
実際、EU離脱で滞っていた日英貿易協定の大筋合意について、1ヶ月ちょっとで完成させています。だいたい数年はかかる業務を、この早さでこなすのは異例です。
日英両政府が7月末までに新たな貿易協定の大筋合意を目指していることが2日、明らかになった。英国が強い意欲を示している環太平洋連携協定(TPP)の参加時に、日英間で追加交渉を行う「2段階方式」を検討していることも判明。英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、日本とEUの経済連携協定(EPA)の効力が切れる来年1月の発効に向け、交渉は佳境に入っているもようだ。
JIJI.com
本人は総裁選出馬について「どちらとも言えない」ようでしたが、年齢・リーダーとしての素質・実力のバランスで考えれば、今後の動きに注目したいところ。
同じ自民党で行くのであれば、茂木氏が現実的だと感じますね。
2位:岸田文雄

外相、党国対委員長
自民党の最も古い派閥「宏池会」のトップである、岸田氏。Twitterでは「宏池会からの総理は見てみたいけど、ちょっと無難すぎるかも?」と言われているイメージがあります。
ただ、過去のインタビュー等では、ことあるごとに「ぜひ次の自民党総裁選挙に出たい」と明言している人物です。時代が終わるとするなら、覚悟を持って臨みたいと語っていますね。
2018年には出馬を断念してから1年後くらいには「政治日程も気になる」と言ってるくらいですから、よほど立候補したいんでしょう。。。
「日本人的」なバランス感覚がある
積極的に評価をすれば、優れたバランス感覚をもった現実主義の政治家。極端を避ける冷静さと慎重さ有しているといえるでしょう。ただし、どのような社会を作っていきたいのかという肝心のヴィジョンが見えないため、この人に日本のかじ取りを任せたとき、いかなる政策が展開されるのかが見通せません。
論座
メディアの露出も消極的ではなく、その意気を汲んで安倍総理も推していたそうですが……なかなか人気が上がらず、知名度としてはイマイチ。
ただ、首相って知名度があればいいってわけでもありませんから、日本らしいバランス感覚のある人物としてピックアップするなら、岸田氏はちょうどいいんじゃないかな?と思うんですよね。
国民がどう受け入れるのかは未知数ですが、次期候補として出てくる可能性はあると見ています。
3位:石破茂

防衛省、農水省
世論調査でも首位になることが多く、自民党の支持者も多い石破茂氏。独自でラジオ番組などにも出演しており、政治ジャーナリストの田崎史郎さんからも注目を置かれています。
また、政治記者の鈴木哲夫さんによれば「二階幹事長に会うなど、積極的に動いている」とのコメントもありますね。
この機に石破氏自身もこう私に話した。
現代ビジネス
「動くべきときに動く。会うべき人に会う」
それを実行に移した一つが二階幹事長との接触だ。石破氏は6月8日二階氏を訪ね、9月の石破派パーティーでの講演を依頼。二階氏は快諾し、「石破さんは期待の星の一人だ」と持ち上げた。
意外にも、政界でも権力が強い”二階派閥”には、総理候補となる人物がいないんですよね。なので、どこの派閥にも属さない石破さんが擦り寄って、次期首相の候補となりたがっているんだとか。
当選まで持っていけば「勝ち馬に乗る」ようにくる政治家たちがいると見越し、事前にコミュニケーションをとっているんだとすれば……なかなか先を見越した行動をしているな、と感じますね。
過去に出演したラジオ番組でも、「(二階幹事長から)安倍さんとちょっとテイストが違うのは石破だよね」という評価をいただいている、との発言もありました。
テレビとネットで、意見が対立……
ただ、ネット上ではメディアは作られた意見がほとんどで、推す理由が分からないとツイートする人も多いイメージ。
一応、石破さん本人は「次はどうしたとか国民が望んでいるわけではなく、いまの安倍首相を支えていきたい」というスタンスなので、どちらに転んでもいいように動いているのかな?と感じますね。
その他の候補について
ランキングには入らないものの、意見が多く寄せられていると感じた人物を紹介します。
菅義偉(なにかと頼りになりそう)

総務相、党幹事長代行
首相の側近で政権の中枢を担っており、日本の政治に欠かすことのできない人物・菅義偉氏。個人的には、ほかの国会議員をバッサリ切ることになっても、最後まで候補には残りそうだと思います。
その理由は、主に2つ。
- スキャンダルが全くない
- 下積み時代が長く、実力で政界のトップにいる
とくに政治は(実情はともかく)クリーンさが求められますから、スキャンダルが全く無いというのはかなり大きい。
しかも菅氏は、もともと会社員→秘書を通じて政治家となっており、親族のツテを利用して……などの方法でのし上がったわけでもありません。
本人がどう感じるのかを別にすれば、十分に「総理の器」は持っているんじゃないかな?と思うわけです。
あと、「令和おじさん」で政治に興味のない層でも知った人が多いのも、地味にポイントだと思います。世代を超えた認知度って、無いよりはあったほうが親近感がわくので(´・ω・`)
ただ、本人は「まだ任期は1年以上あり、時期尚早で自身は全く考えてない」と、総理の後任は完全否定しているようです。
菅氏は2日のNHK番組で、司会者から「次の人事でも政権の骨格は維持されるのでは」と水を向けられると、「首相の判断で、私の立場で言うことはない」と煙幕を張り、ポスト安倍に名前が挙がることについても「来年9月の話。早過ぎるし、私は(ポスト安倍など)考えたこともない」とかわした。
東洋経済オンライン
明確に否定しているため、ランキングから外していますが、なにかあったら頼りになるかも?とは感じています。
河野太郎(候補に急上昇?)

外相、国家公安委員長
こちらも複数のジャーナリストから注目されている人物ですね。過去にはBSフジや週刊誌において、「名乗りをあげたい」と意欲を語っていました。
2020年9月の週刊文春では、ポスト安倍に対する意見を述べていますね。
「安倍総理の総裁任期が切れるのは来年9月です。私は初当選した時から『いずれ総理になりたい』と申し上げてきました」
(中略)
「次の総裁選で誰が誰を支持するか、そんな先の話は分からない。岸田さんがどうだとか、石破さんがどうだとか、他人のことはどうでもいいと思う。まずは『自分の仕事』をちゃんとやらなければなりません。その上で皆さんに評価頂きたい」
文春オンライン
ただ、河野さんは麻生派なので、党内での反発が出てくる可能性があるんですよね……麻生副総理がどのように判断するかで、総裁選の結果が変わってくるのでは?と感じます。
あと、Twitterの更新頻度も高く、若年層の認知度は高いのも面白ポイント。Twitterのリプ探しとか、マスクの派手さなど、親近感があるのはいいかもしれません。
野田聖子(女性なら……というレベル)

郵政省、党の総務会長
女性初の総理大臣を選ぶなら、世論支持を得ている野田さんになるかも……という話は、2018年の総裁選のときに出ていました。
しかし夫の”裏社会のつながり”がスキャンダルとして取り上げられ、推薦者を集めることに失敗して出馬を断念。それでも政治活動を続けていますので、肝が据わっている人物としてアリなのでは?という意見が出ていますね。
「今回の問題を乗り切れば、3年後の総裁選を目指す可能性は高い。ただ本人の意欲がどれほど高くても、推薦人のハードルはある。そこが野田氏の問題点なのです」
ダイアモンドオンライン
Twitterでもあまり前向きな意見は見られないような……消去法で仕方なく、という選び方が多い気も。。。
もしもレベルなので、実現の可能性は低そうです。
小泉進次郎(若手のホープ)

党青年局長、環境大臣
キレキレの発言やら結婚で、とにかく世間から注目されることの多い小泉氏。たまに失言レベルになることもありますが、各新聞社の世論調査でも5本の指に入るくらいには人気です。
安倍首相の体調不良が報道されたときは「憶測が醜い」と批判していたのも印象深かったですね。。。
総裁選に出ることには否定的ではないものの、やはり「若すぎる」ということで止められるのではないかと思います。
実際、父・小泉純一郎氏からはメディア陣の質問に対し、「総裁選出馬はまだまだ先の話、30代だしとんでもない」と話しているシーンがありましたから……
おわりに
次の首相候補は誰がいるんだろう?ということで始めた記事でしたが、ぶっちゃけ変えるほどインパクトのある人っていないかも……というのが、正直な感想でした。
ただ、ずっと同じ総裁でやっているわけにもいきませんから、いずれは総理を交代しないといけません。
少なくとも任期満了までは、身体を大切にしながら安倍総理に頑張ってほしいな……と思いました。