
2018年4月期の金曜ドラマ枠・TBSの「あなたには帰る家がある」。
二組の夫婦が落ちてはいけない恋によって翻弄されていく……との告知がされていたので、気になって原作をイッキ読みしました。
全体を通してみた感想を一言でまとめると、容姿端麗カンペキ主婦・茄子田綾子の”闇”が深すぎる(´・ω・`)
テレビでも放送されるとのことだったので、今回は原作小説のあらすじを元に「あなたには帰る家がある」の最終回までのネタバレを詳細に書いていきました!
目次
登場人物(キャスト)とキャラの最終的な結末
完結までのネタバレは以下に書いているので、ここでは「結局のところ、登場キャラたちはどうなったのか?」ということに注目して書いていきます。
佐藤真弓(中谷美紀)
秀明との言い争いから発展した”勝負”において、自分が働き手となって家を支えるようになっていく。
専業主婦から一家の大黒柱となる真弓を演じるのは、女優の中谷美紀さん。
昔からそうかもしれませんが、ここ数年で主演を務める回数がさらに伸びていると(勝手に)感じています。
今回はどんな役作りをしていくのか、注目です。
佐藤秀明(玉木宏)
太郎の妻である綾子と体の関係を持ったものの、真弓との”勝負”によって仕事を辞めて「主夫」となり、以降は浮気をしなくなった。
最終的に自分が全て間違っていたことに気づく秀明を演じるのは、玉木宏さん。
今でも『のだめカンタービレ』のイメージが強く残っているんですけど、今年に入ってからのインタビュー記事で「イメージを塗り替えたい」と答えていたので、個人的にも注目しています。
茄子田太郎(ユースケ・サンタマリア)
ただ綾子への思いは”真”のものであり、秀明との関係が発覚した時には、幸せにするにはどうしたらいいのか分からなくなり号泣してしまった。
なんか、上の紹介だとすごい矛盾していますし、公式では「女性が男性に思う”残念さ”をすべて集結させたような男」と書かれていましたが……
「綾子の子供なら、誰の子でも俺の子供だ」と言ってのけたり、各所に描写されている”隠れた純真さ”などが特徴の人物なんですよね。やっていることはアレですけどね(´・ω・`)
そんな太郎を演じるのは、ユースケ・サンタマリアさん。
踊る大捜査線のスピンオフ「交渉人 真下正義」で有名なんだそうですが、実は見たことないんです……どんな感じなんだろう?
茄子田綾子(木村多江)
子供の1人が別の男のものだったり、秀明とは体の関係にまで発展したことなどが太郎や真弓に発覚したが、最終的には秀明から離された。
カンペキな姿から堕ちていく様を演じるのは、木村多江さん。
多江さんはこういう役、多いですよね。
ちょっと前に放送していた「就活家族」でも、こんな感じだったような。 スポンサーリンク
最終回までの詳細なネタバレ
というわけで、ここから詳細なネタバレを書いていきます。
秀明と茄子田夫妻の出会い
茄子田太郎は学校の教師。家庭は順調だったが、なにか満たされない感覚からくる「物足りなさ」からスナックや風俗に通っている。
古い実家をなんとか増改築して、両親と妻の茄子田綾子、子供二人(長男の慎吾、次男の郎)と暮らしていたが、
老朽化が激しいことや子供と父の部屋がほしいなどの理由から、家を買うことを考えるようになった。
また、佐藤秀明はハウジング会社の営業マンとして働いており、
かつて商社で働いていた妻の佐藤真弓と、娘の麗奈の3人で住んでいた。
家族の生活は最初こそ良かったものの、秀明と真弓は娘との3人暮らしに疲れを感じてきていた。
真弓は、娘を妊娠したことで「家庭を築いて子供を産む」ことが強い望みとなり退社したは良いものの、
今度は退屈で孤独な日々になっている主婦生活をやめ、働き出したいと願うようになっていたから。
対して秀明は、それを”育児から逃げたいだけ”だと思うようになっていたからだ。
ある日、秀明は仕事でモデルハウスの勤務をしている最中、新築の相談にきた茄子田一家と出会う。
そこで太郎は、毎朝日曜日に犬の散歩をしていると必ず出会う女性・祐子が秀明と同じ営業で働いていることを知った。
新築の相談の続きということで、茄子田家へ行く秀明。
綾子と両親が望むような二世帯住宅の図面を太郎だけが断固拒否したり、綾子が姑から当たりが強く言われていたりする場面を目撃することで、
秀明は「どうしてこんな家にあんなキレイな人(綾子)がいるんだろう……」と考えるようになっていった。
秀明と綾子の関わり
外の世界で刺激を得たいと感じていた真弓は、保険のセールスレディの仕事を行うことにした。
すぐに顧客を取ってきたり、経費で食事に連れて行ったりする”度量と気概”を持つ支部長・愛川由紀を尊敬していた真弓は、
彼女から仕事のお得意先の一つとして、太郎がいる学園の担当者となった。
頻繁に足を運ぶようになった真弓は、彼を顧客担当として受け持つこととなる。
一方、モデルルームで会ってから頻繁に連絡をよこしてくる太郎に、祐子は扱いに困っていた。
彼女と同じく自己中心に振り回されることで応対が面倒になっていた秀明だったが、顧客である以上、無下にはできない。
ある日、太郎は仕事終わりの秀明を行きつけのスナックへ連れて行った。
そこで互いに恋愛→妊娠を機に結婚したことを知った2人だったが、下戸である秀明は酔い潰れてしまい、茄子田家へ運ばれることに。
そこで心配し、看病してくれた綾子のことを『(この家に居て)本当に幸せなんですか?』と尋ねた秀明は、たまらず彼女を抱きしめる。
これがきっかけとなり、綾子は太郎と結婚してから10年近く『自分は幸せである』と思い込むことで過ごしてきた”錯覚”を崩すことになった。
一方、一晩帰ってこない秀明を心配していた真弓は、彼のことを思っていたよりずっと愛していたことに気づく。
緊急時以外は鳴らすなと言われている仕事用ポケベルにまで連絡を入れた彼女だったが、
そのタイミングは茄子田家で綾子を抱きしめている時。
この出来事があってから、秀明は真弓に対して冷たくなっていった。
後日、茄子田家の姑から「綾子を嫌っている」ことを話された秀明は、偶然買い物をしていた彼女を見かけ、ドライブへ誘い出す。
様々な場所を巡った後、彼女をホテルへ連れ、体を重ねた秀明。
家を建てると、今度こそ”家庭から出られなくなってしまう”という思考に陥っていた綾子は、
その後も秀明と関わっていくうちに精神不安定となっていった。
真弓と秀明の約束
真弓は、太郎を保険の契約見込客にするために「自分は離婚して娘を育てている」とウソの話で惹きつけた。
仕事にも慣れて営業成績もベテランほどにまで上げているが、
秀明が急に冷たくなったり、禁煙をやめたりして様子を変えたことから「浮気をしているのではないか」と思うようになる。
真弓と秀明の2人が仕事休みのある日、真弓は秀明に浮気について聞こうと思っていたが、
マンションの自治会に呼ばれて娘を預け、家を開ける。
帰宅しても皿洗いや食事など何も用意していないこと、娘のそばでタバコを吸っていたこと、
それでも無邪気になって父と接している娘などの光景を見て腹を立てた真弓は、秀明に鬱憤をぶつける。
娘が吸い殻を口にし、救急車で運ばれたことで2人は喧嘩。
感情的になって結婚しなければよかったなどとまで口にしてしまう2人だったが、
結局、真弓が3カ月の間に秀明の給料を超える額を貰えるようになったら家の働き手に、
そうでなかったら秀明が仕事を辞めて専業”主夫”になることで話が決着した。
秀明の浮気が発覚
祐子はひょんなことから、秀明の乗る車がホテルに止まり、綺麗な太郎の奥さん(綾子)と一緒に入っていくことを確認する。
仕事をしていて秀明に恋愛感情が出始めていた彼女にとって、腰が抜けるほどショックな場面だった。
以前から営業にも向いてないと感じていたため、秀明が好きだったからなんとか続けられたモデルハウスの仕事を辞めることを決意する。
一方、真弓は秀明との勝負に勝つため、支部長に相談してタウンキャッチング(保険営業をやってくれる人を募集する仕事)をすることに。
同時期に太郎から「デートしてくれれば契約を考えても良い」的なことを話された真弓は、彼の要求に応えるかを考えていた。
そんな最中、職安で仕事を探している祐子と出会った真弓は、彼女から秀明の浮気相手が太郎であることを告げられる。
動揺もつかの間、太郎からは秀明の会社と名前を出して新築する予定であることを話され、少しでも早く保険の契約を行おうと決めたのだった。
太郎と綾子の過去
太郎と綾子の長男・慎吾は、実は太郎の本当の父親ではない。
2人が結婚した時には、すでに綾子のお腹の中に『姉の夫の子供(=慎吾)』がいたのだ。
姉が婚約する時、綾子は初めて彼に”好意以上”のものを持ち、結婚前に一度だけ彼と二人きりで過ごして妊娠が発覚した。
それでも、見合いの段階で「必ず幸せにする」「今日できた子供だと思うようにしよう。他のことは忘れよう」と話して抱いた太郎のことを、綾子は愛していけると思い結婚。
太郎は知っていたが、慎吾は真実が分からないまま過ごしていた。
太郎は、最近の綾子が持たせてくれる弁当に手抜きが生じていたり、陰ですすり泣きしていることから、何か様子がおかしいことに気づいた。
真弓の数ヶ月にわたる営業によって、太郎は綾子に無理をさせていたかと思うようになり、
両親も長くないことから新築は後にして保険に入った方がいいと考えるようになる。
一方、茄子田家に営業しに来ていた秀明は、太郎から契約を先延ばしにすることと共に、
太郎を担当していたセールスレディが真弓であることを知らされる。
綾子との関係がバレると思った秀明は気分が悪くなり、その場で嘔吐。
駆けつけてきた綾子に新築の契約を迫りつつ「俺にも関係があるんだ。助けてくれ」と話したが、ただならぬ形相に彼女は突き放してしまった。
しかし、その一方で助けを乞う秀明を見た綾子は、「これは自分を受け入れてくれている」と考える。
秀明の力になりたいと考えていた彼女は、太郎に保険よりも新築を優先させるよう強く迫った。
4人の再会
真弓は、辞めていった元セールスレディから、支部長の愛川由紀が緑山グループの会長の愛人であることを知らされる。
それに加え、財閥の令嬢的な立ち位置であることから、そのコネで自分からは大した新規開拓や仕事をしていないことを告げられた。
自身が尊敬し、努力すれば彼女のようになれると思っていた真弓は、
秀明との勝負には勝ちたいと思いつつも、一家を支えていくような収入を得られないと心配になっていく。
そのような考えながら、風邪で仕事を休んだ秀明と共に家で過ごしていると、突然まとまった荷物を持った綾子が自宅にやってきた。
度重なる秀明との接触により子供ができたといい、太郎に置き手紙を残して一緒に暮らすと決めて家を出てきたのだという。
真弓をよそに太郎と綾子が言い争いをしていると、直後に手紙を読んだ太郎が家に乱入。
そこで真弓が離婚していない&夫が秀明であることを知り、
太郎は秀明と階段を転げ落ちたり鉄柵に頭をぶつけて流血したりするほどの取っ組み合いをした。
のちに病院に運ばれた秀明。
彼に付き添っていた真弓は、太郎から「綾子は妊娠してない」ことを知らされる。
綾子だけは愛してくれると信じていたのに……と泣きじゃくる彼を見て、真弓は秀明に対する考えを改めるようになった。
一方、秀明はを真弓から綾子に関する知らせを受ける。
自分が何もかも間違っていたことを認め、愛想を尽かされたと感じた秀明は別れを切り出したが、
真弓はこれを拒否。
「愛想なんてとっくに尽きている。でも、約束を破って主夫をしないあなたを許さない。私が稼いでくるから、家で家事をして娘の面倒をみるのよ」
と言い、病室を後にした。
勝負の行方
秀明との勝負については、彼が新築の契約を取れなかったことで真弓の勝ち。
新築契約に賭けていた秀明は、給与明細などを見ずに会社を辞め、主夫となった。
半年ほど経ち、2人がどうしているのか気になった秀明は、麗奈と共に太郎たちの家へ行った。
家が無くなっていることを目にした秀明は、そこで近くに一時的な引っ越しをしている郎に出会い、
真弓が太郎から保険の契約を取ってなかったことを知る。
もし確認していたら、勝負の結果は違っていたのかもしれないと思う秀明だったが、
ぐずる娘を見て「自分には帰る家がある」と思い、足を進めた。
「あなたには帰る家がある」の原作紹介
「あなたには帰る家がある」は、2001年には『プラナリア』で第124回直木賞を受賞したことでも話題になった、山本文緒さんの20冊目の小説。
難しい表現とか描写というものはほとんど無いので、あまり小説と関わり合いが無い自分にとっては、かなり読みやすかったです。
Amazonのレビューにもあったんですけど、この作品って20年以上前に書かれているものなんですよね。
読み終わった後に「そういえばポケベルとか出てきたなぁ」とか思っていたので、驚きました。
この小説、1998年初出版の「集英社文庫」版と、2013年初出版の「角川文庫」版の2つが出ていますが、個人的には「角川文庫」版がオススメ。
微妙に安いですし(´・ω・`)
まとめ
あなたには帰る家があるの原作ネタバレについて書いていきました。
感情移入しやすい作品なので、ドラマと違いを作るとするとどんな風に仕上がるんだろう?と気になります。
あまり雰囲気を変えずに、ドラマ化してほしいなぁ……