「四大死刑冤罪事件」の一つとしても有名な、財田川事件(さいたがわじけん)。
 
一度でも死刑判決が出てしまえば、それを覆すことは不可能と言われていた1950年代に、再審&無罪となった事例です。
 
判事だった矢野伊吉(やの いきち)さんが、職を捨ててまで弁護したことで谷口繁義(たにぐち しげよし)さんの『無罪判決』を勝ち取ることができたものでした。
 
しかし、実は真犯人がまだ捕まってないんですよね。
 
そこで今回は、現時点で「財田川事件の真犯人」として挙げられている人物像や、事件の賠償金などについて迫っていきました。

スポンサーリンク

財田川事件の概要

財田川事件について簡単にまとめると、以下の通り。

要点
①1950年2月28日、香川県三豊(みとよ)郡財田村で強盗&傷人事件が起きる
 
②事件の犯人として谷口繁義(たにぐち しげよし)さんを含む2人が捕ったが、一方は釈放。谷口さんのみに自白の強要が行われ、『冤罪』がかけられる
 
③裁判の結果、死刑が確定。谷口さんは、再審を望む手紙を地方裁判所に送った
 
④当時、地裁の支部長であった矢野伊吉(やの いきち)裁判長は、周囲の反対を押し切って自らの職を捨て、谷口の弁護人となり再審請求を行った
 
⑤20数年後、ようやく再審が開始。谷口さんの判決が言い渡される一年前に矢野さんは亡くなったが、1984年3月12日をもって無事に『無実』が証明された

 
文章でみるとサラッとしていますが、谷口さんは33年11ヶ月もの間、過酷な環境のもとで獄中生活を送っていたんです。
 
それも、でっち上げという理不尽なものによって。

現場の様子

現場となった三豊郡財田村の旧市境は、こんな感じですね。

現在は「三豊市財田町」として、周辺の地域と合併されました。
 
現場の状況については、

・実際の事件の様子を見た人物はいなかった
 
・犯行時に着用したという国防色ズボンが、”取調べ中に出てこなかったにもかかわらず”証拠として突きつけられた

ことのみが明かされています。
 
これだけ?と思ってしまいそうですが、本当にこれだけ。
 
これ以上の情報については、当時の警察が冤罪をなすりつけることで調査を怠っていたため、証拠が残されてないんです。
 
隠蔽工作の可能性もありますが、よくこれで裁判とかできたなぁ……とは思います。

財田川事件の真犯人として挙げられている人物は?

財田川事件の真犯人については、現在でも不明
 
30年もの間、「被告人=真犯人」と信じられていたため、当時は捜査も行われていませんでした。
 
今では本当の犯人はとっくに逃げきり、時効になっているんです。
 
それでも、この人物はアヤシイのではないか……と言われている人物は居ます。

事件の第一発見者

最初に挙げられているのが、被害者の遺体を発見した高知の女性
 
この人物は、食堂を経営している被害者の妻にコトを告げた後、事件に巻き込まれるのを恐れて、現場となった香川県財田村から一目散に地元へ帰っているんです。
 
(その後の調べについても十分にされてない)
 
また、捜査記録に残されている第一発見者の男についても、十分な捜査が行われていませんでした。
 
なぜかこの2人に関しては、その後の情報も出ていないため、疑惑が拭いきれている……とはいい切れません。

警察の中にいた人物

また、最終的に「冤罪」ということで無罪になった事件であったため、ズボンの物的証拠の捏造や自白の強要をさせた警察内部の人間についても、実はアヤシイ部分があるんです。
 
例えば、事件の犯人は警察で権力のある人物の”身内”だと分かっていて、他人に罪をなすりつけるパターン。
 
公務上の名誉を守るため、内部でもみ消した可能性も残されています。
 
このあたりについても具体的な調査が進んでいませんから、やはりシロとはいえません。
 
事件の真相が分からずに長続きしそうな場合には、このような冤罪をなすりつける行為も少なからずあったんだとか。
 
今は無いと思いますけどね(´・ω・`)

スポンサーリンク

財田川事件の賠償金はいくらだった?

今回の冤罪によって支払われた金額は、およそ9000万円だと言われています。
 
(33年と11ヶ月にわたる長期の身柄拘束だったため、単純計算でこのくらい)
 
この事件に限らず、四大冤罪事件においては「賠償金」ではなく「刑事補償金」というものが支払われました。
 
財田川事件のように”無罪判決”となった場合、刑事補償法と呼ばれる法律によって、その補償と額・手続きが定められていることとなっています。
 
その補償金額は、現在だと「拘束日数×金額(1000円~12500円)」で定められていて、四大冤罪事件においてはこの決まりに沿って支払われていることが多いんです。
 
ただ、4つの事件のうち財田川事件だけは、なぜか刑事補償金について記述されているものがありません。
 
なので、拘束日数と金額からの計算による予測となっています。
 
ちなみに、他の「四大死刑冤罪事件」における補償金は、以下の通り。

免田事件・・・9071万2800円(拘束12599日×7200円)
 
松山事件・・・7516万8000円(拘束10440日×7200円)
 
島田事件・・・1億1907万9200円(拘束12668日×9400円)

島田事件については、国家賠償法による補償が追加されていたため、少し金額が上がっています。
 
ただ……この金額、個人的にはかなり低いと思うんですよね。
 
なぜかというと、

・当時の警察が様々な捏造をして、谷口さんに濡れ衣を着せていたこと
 
・自白そのものについても、「拷問による強制的なもの」であったこと
 
・たとえ誤りでも、死刑判決を一度でも言い渡したことによる精神的な恐怖
 
・30年あまりの人生を拘束されて過してきたこと

などがあったにもかかわらず、公務員の不法行為によって損害を受けたときに、賠償を求めることができる「国家賠償法」が適用されなかったから。
 
警察官などの不法行為の責任に関係なく、無罪の判決を言い渡された人が請求できる「刑事補償」のみというのは、冤罪という背景を考えると非常に不釣り合いなんです。
 
これがあるのと無いのとでは、補償金にかなりの違いが出てくるので、なんとも歯がゆい気持ちになります。

まとめ

財田川事件の真犯人についての可能性と、その賠償金についてまとめていきました。
 
この事件に限らず、「四大死刑冤罪事件」は全てにおいて真犯人がのさばっているのが現状なんです。
 
(今でも生きているかどうかは別にして)
 
存命だったとしても、いい人生を送っているとは言いがたいですね……

スポンサーリンク
スポンサーリンク

中の人のつぶやき

おすすめの記事