
歴史上「初」となったことでも注目を浴びている、米朝首脳会談。
シンガポールの高級ホテルに泊まり込む海外客が増えそうな予感もしますが、やはり「会談の内容」が気になる人も多いと思います。
そこで今回は、12日に行われた米朝首脳会談の決定事項や言及について、情報を整理していきました。
目次
共同声明の内容
合意文書で取り上げられた「宣言」をくだいてまとめると、以下の通りとなります。
②朝鮮半島の平和体制を、二国間で協力して行っていく
③2018年4月27日に出された「板門店宣言」を、改めて確認する
④戦争で捕虜・行方不明となった兵の遺体回収に取り組み、特定されている遺体はすぐに帰還させる
この中で特に注目しておきたいのが、2018年に発表された「板門店宣言(はんもんてんせんげん)」。
韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩委員長の間で結ばれたものであり、
・朝鮮戦争を「終戦」させることを2018年に目指す
・一方的な敵対行為の中止
などの内容が含まれています。
要は南北の関わりを正常化させ、”平和な”交流を盛んにさせるってことですね。
これまでは韓国と北朝鮮だけで進められたものでしたから、そこまで大きなインパクトは無かったんです。
今回の米朝首脳会談によって「もし判断を覆すようなことがあれば……」という雰囲気が出てきたことで、国際的に『トップから釘を刺された』状態となりました。
その他の事項
また、今回の会談では共同声明のほかにも様々な言及がされたことで注目されています。
ここでは(間接的にでも)日本へ関わりのありそうな事についてまとめていきました。
「在韓米軍」の縮小・撤退の可能性
韓国にいる米軍を、将来的に縮小したり撤収させる可能性があることを言葉にしました。
北朝鮮との軍事的な対敵のイメージを減らすため、アメリカ側から提案されたものですね。
90年代から「在韓米軍」段階的には減らされており、日本の在軍の約半分まで消滅しているのが現状。
もし、これまで以上に減らし方を早めるとなれば、あまり話が進んでいない日本にも”軍の撤退”が現実的になるかもしれません。
朝鮮半島の”完全”非核化を約束
共同声明において完全非核化を約束した二国ですが、その具体的な方法として
ことが採択されています。
これまでミサイルに使うエンジンの燃焼や出力の実験を繰り返していた北朝鮮。
それらが行われていた試験場を取り壊すことで、核への関心を無くす方向が定められた形となります。
2つの間で合意が取れたことが明らかとされていますから、覆ることもないでしょう。
日本の拉致問題について
トランプ大統領が”問題提起”として、金正恩委員長に伝えただけのものとなっていますが……
日本への影響としては、これが一番大きいのかもしれませんね。
史上初の会談で拉致問題に触れられ、解決に向けた大きな一歩となりました。
日本への影響は?
日朝国交正常化交渉の再開
北朝鮮と日本の間で残されている様々な問題を解決するため、2002年に行われた「日朝政府間協議」。
その中に
・日本人の拉致問題をめぐる実務者協議
の2つが入っているんですけど、それぞれ2002年・2004年を最後に途絶えてしまっているんです。
アメリカとうまく手を取り合って国際社会に出られるのであれば、これらの協議が十数年ぶりに再開される可能性があります。
日本から経済協力金が支払われる可能性
ちょっと行き過ぎた意見かもしれませんが……
1910~1945年まで日本が韓国を併合させていた「日韓併合時代」の清算として、日本から賠償金である経済協力金が支払われる可能性も指摘されています。
経済援助の引き換えに拉致問題をウヤムヤにしている……との見方もあるようなので。
今後の北朝鮮はどうなるんだろう……?
米朝首脳会談の内容と、日本への影響についてまとめていきました。
今回は日本が「蚊帳の外」で行われた対談ではありましたが、日中からずっとニュースになっているところを見るあたり、関心を持っている人は多いのかな?と思いますね。
これから二国がどのような動きを見せるのか、注目されそうです。