近いうちに必ず起こると言われている大震災の一つ、南海トラフ地震。
 
2018年には観測史上”初”となった大阪での震度6弱の地震が起きたことから、改めて関心が集まっているものでもあります。
 
南海トラフ付近では、歴史的に見てもこれまで多くの地震が発生してきましたが、その中でも『静岡県』への被害が心配されているんですよね。
 
今回は、南海トラフ地震によってもたらされる被害想定についてまとめていきました。

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南海トラフ地震によって最も大きく被害を残すのは「津波」

今後30年以内に70%の確率で発生すると想定されている、南海トラフ巨大地震。
 
様々な想定が進んでいる中、どれをとっても「各地に最もひどい爪痕を残す」と断言されているのが、津波の影響です。
 
同じく予想されている首都直下地震がM7クラスの地震を想定しているのに対して、南海トラフで想定されている海溝型地震はM8。
 
場合によってはM9レベルといった「東日本大震災」と同じくらいの規模の地震が想定されています。

なぜ静岡県が危ない?

東海~南海にかけて被害がもたらされると想定されている南海トラフ地震ですが、静岡県が特に危ないと言われている理由は

160年以上もの間、地震が発生してない領域がある

ため。
 
その場所とは駿河湾沖なんですけど、「南海トラフ」の概要を知っておいたほうが、より全体を把握できるかと思いますので紹介します。
 
南海トラフは東海・東南海・南海の「3つの地域」に分けて考えられており、図で表すと以下のようになります。
 

 
このうち、将来この領域のうちのどこで地震が発生するかについては、残念ながら判明していません。
 
しかし、想定外の結果を残した東日本大震災が起きてからというもの、地震に関する見方や研究が進んで「一ヵ所がゆれて終わり」ということにはならない可能性が出てきたんですよね。
 
トラフ(海溝)をつたって地震が誘発され、東~南の方面へと大きな地震が”連続して”起きることから、過去の想定では足りなくなってしまったのです。
 
東日本大震災では日本海溝に沿って500キロメートルほどの断層のズレが生じましたが、南海トラフの長さは700キロメートル以上
 
もし地震が起きて断層が動くようになれば、東日本大震災と同等か、それ以上の断層のズレ(=エネルギー)を発生させることが容易に予想されます。
 
見出しの初めに「地震が160年起きてない領域がある」と書きましたが、この断層のズレの影響をモロに受けるのが、静岡県の東の端にある駿河湾沖なんです。
 
もう一度地図を見てみると、南海トラフの区切りが駿河湾の中心を通っていることが分かりますよね。
 

 
東海付近のトラフ(海溝)が震源地となるのであれば、真っ先に影響を受けるのは静岡県であることは間違いありません。

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静岡県で想定されている「最悪のシナリオ」

断層のズレによって静岡県が南海トラフ地震の影響を受けやすいことが判明したところで、つぎに「どんな影響や被害が予想されているんだろう?」ということについて迫っていきます。
 
震源地を「東海沖」で「M9」の超巨大地震が起きた場合の、津波を含めた被害想定をまとめました。

震度は6強~7

まず、東端の東海沖で南海トラフ地震が発生した場合、静岡県で観測される最大震度は6強~7というのが通説です。
 
1995年の阪神淡路大震災や、2011年の東日本大震災で観測されたものと、ほぼ同じレベルだと考えてOK。
 
ただし、震源や観測地の関係で「震度7を記録した場所」での津波の被害はありませんでした。
 
沿岸部において同じくらいの震度が記録されるとすれば、たまったものではありません。
 
静岡県の場合、東西にわたって広く震源地に面していることから、近隣の県に比べて傷害者が格段に高くなる予想がされているんです。

津波は「焼津市」にやってくる

震源に最も近いと想定されている静岡県焼津(やいず)市では地震発生直後に津波の第一波が到達し、その後は

最大高さ11メートル

もの津波が押し寄せると予想されています。
 
東日本大震災のときは、第一波として8~9メートルの高さの津波がリアス式海岸(岬の先端やV字型の湾の奥)を襲ったことを考えると、それより大きな波がくる可能性すらあるんですよね……
 
伊豆半島の多くを占める海岸部は”リアス式海岸”の観光地としても有名ですから、過去の事例からこのように想定されるのも無理はありません。

震災当日からしばらくの市民の生活

上記2つの地域を中心として、地震と津波によって10万人を超える命が犠牲となるほか、30万棟もの家々が倒壊
 
震災当日の避難者は90万人にのぼりますが、その後もさらに増え続け、1週間が経つころには

100万人を超える市民が避難生活を余儀なくされてしまう

ことが明らかとなっています。
 
たとえ陸内に住んでいたとしても、静岡県の沿岸部にはなだらかな海岸が多いため、多くのところで内陸部まで侵入してきやすいことも指摘しておきたい部分です。
 
断水や停電が大規模に発生した影響も加わると、365万人の静岡県民の大半が大きな影響を受けることになると想定されますね。
 
また、静岡県には「東海道新幹線」や「東名高速道路」などの日本経済を支える”社会的な大動脈”が走っています。
 
地震が起きた際、時速300キロメートル近くで走っている新幹線や、時速100キロメートル以上で走っている自動車がいたとすると……はたして無事に過ごすことは可能なのでしょうか?
 
このような交通インフラが大ダメージを受けた場合、日本全体が深刻な状況に陥ることは間違いありません。

地震から火山活動の活性化へ

さらに、東海沖で地震が発生した場合に心配されるのが、富士山や伊豆半島の火山活動への影響
 
過去の事例のひとつに1707年の宝永地震があるんですけど、大地震があった49日後には富士山の山腹から噴火する「宝永大噴火」が発生し、二次被害が多発しました。
 
現在の東京都区部である江戸においても、数センチメートルの降灰が記録されていたため、静岡県から半径200キロメートルでは粉塵による被害に注意が必要となる可能性があります。
 
以下は、琉球大学名誉教授・木村政昭さんの著書「噴火と大地震の危険地図」を参考に作成した、火山灰の予想降灰量の図。
 

 
地震によって火山が活性化するまでタイムラグがありますから、人々が疲弊しきった中で追撃されてしまうと、さらなる被害が拡大してしまうかもしれません。

南海トラフ地震への対策を考えておこう

南海トラフ地震の被害想定を、静岡県を例にとって考えていきました。
 
近隣の県と比べても駿河湾を抱えている地域であるため、津波による影響は計り知れない……というのが、今回の内容ですね。
 
津波が来ると判明したら、

・手荷物は最小限、リュックにつめて移動
 

・海から遠いところへ逃げるより、近くても高い場所(海抜5m以上の高台や、鉄筋コンクリートなどの頑丈な建物の3階以上)に避難する

のが得策です。
 
「非常用持ち出し袋」が一つあるだけでも、かなり違います。
 
気づいた時には、県のホームページなどもチェックしておくべきですね。

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