
2018年の課題図書にも選ばれている、池田まき子さんの「クニマスは生きていた!」。
読書感想文の書き方がわからない!って人も多いと思ったので、今回は例文とともに、テーマの選び方やあらすじをまとめていきました。
目次
『クニマスは生きていた!』の読書感想文の例
早速ですが、「クニマスは生きていた!」の読書感想文の例文をみてみましょう。
私がこの本を読もうと思った理由は、小学校の自由研究で環境破壊の事について調べたからです。
その時に酸性雨について触れていたので、クニマスの絶滅の原因が強酸性の水が原因とあって、その恐ろしさを改めて感じました。
そしてクニマスの絶滅という事件を通じて、環境問題だけでなく、もたらされた恩恵と代償、人々の想いなど、様々な影響を知る事が出来ました。
この物語で欠かせない登場人物と言えるのが、最後のクニマス猟師、三浦久兵衛さんです。
クニマスの絶滅を久兵衛さんの視点から見ると、悲しい思いがひしひしと伝わってきました。
久兵衛さんは少年時代から、クニマスと共に生きてきたと言っても過言ではありません。
しかし、国の方針や田沢湖の酸性化、日に日に作り変えられていく故郷によって、少年時代から見続けたクニマスが絶滅してしまいます。
久兵衛さんにとっては人生の全てだったのに、どうしようもなく壊れていく様を見続けると思うと、胸が締め付けられます。
だからこそ、クニマスの為に奔走した人々の情熱や絶滅していなかったと知った時の喜びを、深く感じることができました。
この本はクニマスは生きていた!という題名ですが、物語はそれだけでは終わりません。
クニマスは遠い湖で生きていましたが、それは根本的解決ではないと知りました。
別のところでも絶滅する可能性がゼロではない。
田沢湖に戻したいが、一度汚れた湖には戻せない。
元々あった自然を人の手で壊すのは簡単ですが、それをまた戻すことは、とても難しいのです。
それでも、人々は諦めません。
本を読んだ後に調べてみると、クニマスは生態がほとんど不明で養殖の難しいものなのだそうです。
ただ、今でも研究は続けられていて、秋田県ではクニマス里帰りプロジェクトが始まって「完全養殖」を目指していることが分かりました。
この物語の初めには、国策の水力発電と農業用水の計画があります。
それらが田沢湖を「死の湖」にした事は事実ですが、それらが全てマイナスだった訳ではありません。
ダム建設は人々の暮らしを豊かにしましたし、広い目で見ればクニマスの絶滅はあくまで副作用です。
人もまた、自然の一部です。
自然災害から暮らしを守り、人々の生活を豊かにするための技術があるからこそ、私たちはいつも通りの日常を送れています。
環境問題だけを取り上げ、それを忘れてはいけません。
日々の暮らしと自然の保護。人の想いと社会の豊かさ。
それらを両立させる道を探すことが、私たちの永遠の義務なのだと思いました。
クニマスは生きていた!の読書感想文の書き方
あらすじをつかむ
この本の全体のあらすじは、こんな感じとなっています。
1940年代の国策によって、魚がすめない「死の湖」と変わってしまいました。
田沢湖にしか住んでいなかったクニマスも絶滅した……とされていましたが、なんと70年後の2010年に、山梨県の西湖で生き延びていたことが発覚。
どうしてこんなに離れた場所で、クニマスが発見されたのか?
一度汚してしまった田沢湖を、もとに戻すのはできないのか?
最後のクニマス猟師・三浦久兵衛さんの生涯を追いながら、歴史を見ていきます。
これを見たときに、この本を通して「どんなことを伝えようとしているのか」が分かるとベストですね。
この本のテーマを知る
ただ、環境問題をもとに作られているお話ではあるので、テーマを見つけにくいって人も多いでしょう。
なので、個人的に思う「クニマスは生きていた」で伝えようとしているテーマについて、2つほどピックアップしてみます。
自然環境を守ることの「難しさ」と「大切さ」をテーマにする
自然環境を守るのって、かなり難しいんですよね。
社会で「歴史」を習っているなら分かると思うんですけど、数千年くらいしか文明を持ってない人間が、数億年かけて作られた自然に勝つ方法なんて、無いんです。
この作品では、田沢湖を壊してクニマスが絶滅したことが例として出されました。
「自分たちにできることはあるのかな?」
という見方をすれば、自分にしか書けない作文ができると思います。
「人間の身勝手さ」をテーマにする
逆に「人とは違うことを書きたいんだ!」って人のために、あえて”ダメ出し”してみるのも一つの手です。
人間もクニマスも、同じ自然で生きている動物ですよね。
この作品では、人間が発展するためとはいえ、いちど絶滅させたことを後悔し、後から「やっぱり生きていた」ことを喜んでいる姿が描かれています。
これ、“人間の身勝手”で自然環境を「守り直そう」としているだけに見えてきませんか?
壊してしまったものを戻すには、かなり大きなお金がかかっているのに。
だったら、いっそのこと「別の湖で”一から”クニマスを増やしても良いのでは?」って考えても、よさそうですよね。
こういった視点も、面白いかもしれません。
まとめ
「クニマスは生きていた!」の読書感想文の例と書き方のコツについて、まとめていきました。
当たり前ですけど、例文をパクリにして”コンクール”へ提出なんてしちゃ、ダメですよ!
学校くらいなら許されるかもしれませんが、後々トラブルになることも多いですから。
ちゃんと買うなり、図書館で借りるなりして読んでみましょう。