
フリーの漫画家・きくちゆうきさんが投稿している4コマ漫画、「100日後に死ぬワニ」。死ぬ日が分かっていると途端に景色が変わって見える、不思議な作品です。
ワニの死が刻々と迫るストーリーとなっていますが、最終的にはどのような結末が待っているのか……
今回は、「100日後に死ぬワニ」の結末を、これまでの物語から考えていきました。
目次
最期を迎えるワニの結末はどうなる?
ストーリーの内容といっしょに考察するに、主人公のワニは目標がないまま日々を過ごし、そのまま死んでいくのではないか、と思っています。
いまの現代日本人の心底を表している漫画だな、と感じますね。
100日目は「3月20日」
「100日後に死ぬワニ」は、1日目が投稿された12月12日から、毎日19時に投稿されています。
このまま順調にいけば、ワニの命日は3月20日の19時。この日がどのような時期なのか考えることで、物語の結末が考えられそうです。
仕事を辞め、目標のないまま生きるワニ
1日目から30日目までの間に、ざっくりとしたワニの人脈が描かれています。経緯はこんなところ↓でしょうか。
- 事故で入院→退院したネズミとのやり取り
- バイト先の彼女ワニへの片思い→付きまとわれることに対する陰口
- 回を追うごとに判明していく、両親とのすれ違い
ここで注目しておきたいのが、初回(第1話)より前のワニの人生が明確に描かれてない点です。
27日目の4コマで、母と思われる電話で「あんたまだバイトなん?」と言われているところを見ると、おそらく仕事をクビor自主退職し、人生の目標を失っている状況なんだと考えられます。
社会とのつながりが消え、そのまま存在意義が分からなくなっている描写も見られます。
ワニが死ぬ予定の日は、生活環境が変わる時期でもある
体調不調をきたす時期として、3月〜5月はひとつのピークとなるデータがあります。仕事や学校、気候の変化、引っ越しなどで生活環境がガラッと変わり、慣れない環境で過ごすことが増えるためです。
季節の変わり目には、自律神経が乱れやすくなるのも一般的ですよね。
寒暖差が大きくなると、体温や発汗をひんぱんに調整しなければならなくなるため、2つの神経のバランスが崩れてしまいます。
ココカラファイン
また、季節の移り変わる時期は寒暖差が大きいだけでなく、環境が大きく変わることもあります。異動に伴う引っ越し、進学や進級など、生活に変化が起こりやすい時期です。こうしたことによるストレスや生活リズムの変化も、自律神経の乱れや体調を崩すことの要因になっていると考えられています。
ワニが100日後を迎えるのが3月20日だとすると、まさにこの時期とピッタリ被るんですよ。気分が変わるキッカケとしては、原因になる要素は十分あると思います。
目標を持つことの大切さを感じた
もしものためにとっておくことは、今を生きる上で大切なこと。次の日から数十年後まで、期間はさまざまですが、「目標」があることで生きがいを感じるからです。
時間が長く感じるのは、30日目でも表現されてます。
ワンピースの結末、映画の続編が見たい、彼女への告白は準備してから……いつか死ぬと分かっていても、それが何日なのかは分からないまま生きているのが生き物です。
「いつ死ぬか分からないから、今やろう」ということを伝えたいんだと感じますね。
楽しいことも寂しいこともある何気ない日常は、唐突に消え去るものです。
ただボーッと過ごすより、自分なりの目標を持って生きていくことに気づいてほしい!というメッセージが込められているんじゃないかな、と思いました。