ABC予想とは何?分かりやすく簡単に問題の具体的な解説や論文を紹介!

数学の超難問と言われていた「ABC予想」を証明したとする論文が掲載されることで話題となっている、望月新一教授。

ちょっと前に証明された「フェルマーの最終定理」よりも難しいとされていた問題だったため、今世紀最大の功労賞が贈られるかもしれない……と注目されていますね。

ところで、そもそもABC予想ってどんな問題なんだろう?と気になった人も多いかもしれません。

そこで今回は、ABC予想について分かりやすい事例とともに紹介していきたいと思います!

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ABC予想とは?

ABC予想を一文で書いてしまうと、「a+b=cが成り立つ自然数(正の整数)a、b、cにおいて、積abcの素因数の関係を考えた時、数(a、b、c)はいくつかの組しかない」ことを表した予想です。

文章だけだと、ちょっと分かりにくいかも。

中高生が習うような「整数の方程式」の考え方を”めちゃくちゃ”発展させたものが、1985年に欧州の数学者(D・マッサーとJ・オステルレ)によって提唱されたことから始まりました。

問題の内容

(ABC予想を考える際には、数(a、b、c)を「1以外に共通の約数をもたない『素』」であることが前提です)

a+b=cを満たす数があるとき、abcの積をdとします。
このとき、a、b、cは互いに異なる数でなくてはいけません。

そのdを、任意の実数κ(κ>1)で累乗します。

このとき、普通に考えれば、dはa~cのどの数よりも大きくなるものだと思われますが、dがcより小さくなってしまうことが稀にあるのです。

累乗・・・aの3乗(a×a×a=a^3)みたいなもの

“abcを掛け合わせて出した数”である「d」が、”もともとあった”「c」より小さくなってしまうということは、数の組み合わせが無限にあると考えられません。

つまり、ここに挙げられている数の組(a、b、c)は「数える程度」しか存在しないのではないか……?と考えられているのが、この「ABC予想」なんです。

分かりやすい具体例

例えば(a、b、c)の3つの数が(2、7、9)の組のときを考えてみましょう。この数で式に当てはめてみると、

【a+b=c】2+7=9
【abc=d】d=2×7×3=42

となります。

(【abc=d】で使われている数は、上にも書いたとおり素因数です。a=2b=7、c=9=3^2なので、ここではc=3となります)

出てきたd=42をκ>1の範囲(例えばκ=2のとき)で累乗してみると、当たり前ですがdはcより大きくなりますよね。

(κ=2のとき)42^2=1764

こんな感じの組み合わせは数多くありますが、もし(a、b、c)の3つの数が(1、8、9)となればどうでしょう?
同じように計算をしてみると、

【a+b=c】1+8=9
【abc=d】d=2×3=6

となり、dがcより小さくなってしまいます。
(【abc=d】で使われている素因数:a=1b=8=2^3=2c=9=3^2=3

このd=6をκ>1の範囲で累乗してみるんですけど、このκ、どんな数でも良いわけではありません。

もしκ=2とかだったら、やっぱりd>cとなりますからね。

しかし、κ=1.2とした場合だと、dはcより小さくなるんです。

(κ=1.2のとき)6^1.2=8.58………

これまでは、パソコンなどの計算によって、こういった「dがcより小さくなる」組み合わせの数が『κ>1.6』に限ったもので見つかっているということだけが分かっていました。

そんな中で、ABC予想では

  • κ=2(もしくは2以上)となるような数の組は存在しない
  • 反例のない、ある実数が存在する
  • κ>1となるような自然数の組は限られた個数しか存在しない

ということを内容として取り上げていたことから、「ホントにあるのか……?」と数学者を唸らせていたんだというのです。

式の証明もそうですが、そもそも反例を上げることができないため「難しい」と言われていたんですね。

望月新一が書いた論文は?

現在、ニュースなどで話題となっている論文については、今後の数学専門誌に記載されるため閲覧することはできません。

しかし過去に提示した論文については、以下のページからPDFファイルとして確認することができます。

宇宙際タイヒミュラー理論(Inter-universal Teichmueller Theory)

見てみれば分かりますけど、全て英語でかかれており、何がなんだかサッパリ……

しかもこれはほんの一部で、全体のページ数は500を超えるほど。
住んでいる世界が違うことだけは体験できます(´・ω・`)

まとめ

望月教授が解明したABC予想について、分かりやすい事例が書かれていたので紹介してみました。

問題の数値例などは、以下の引用元を参考としました。
いろいろ端折っている上に、数学的な表し方を省いた部分もあるため、詳細を確認したい場合は以下から確認してみてください。

いちおう全文を載っけておきます。

ABC予想の具体的な解説(タップで開く)

abc予想
a+b=cが成り立つ自然数(正の整数)a、b、cにおいて、積abcの素因数に関する数論上の予想。1985年に欧州の数学者らが提唱したが、証明も反例も見つかっておらず、整数の方程式の解析における「最も重要な未解決の問題」といわれる。2012年8月、京都大学数理解析研究所の望月新一教授により、同研究所ホームページに掲載された4本の論文が、この証明に成功したと話題になっている。
abc予想では、互いに素(1以外に共通の約数をもたない)である3つの自然数(正の整数)の組(a、b、c)について考える。a、bの和がcである(a+b=cを満たす)とき、積abcの互いに異なる素因数の積をdとする。任意の実数κ> 1のとき、dをκ乗(累乗)した積は、まれにcよりも小さくなる。すなわち、そのような数の組(a、b、c)は有限個だけしか存在しないという予想だ。例えば3つの数が(2、7、9)の組のときは、2+7=9を満たすが、d=2×7×3=42だからκ>1の範囲で累乗すると、その積はcよりも大きくなってしまう。このような数の組が多いが、(1、8、9)などの組では、1+8=9を満たし、かつd=2×3=6となる。このd=6をκ=1.2として累乗した積は9よりも小さいので「まれに」あるケースということになる。現在のところ電子計算機を使ってκ>1.6となる数の組、すなわち任意の実数を1.6としたときの反例は数個だけ見つけられている。しかしκが2以上となるようなものは見つかっていない。abc予想にはいくつかの表現があり、κ=2(もしくは2以上)となるような数の組は存在しない、もしくは反例のないある実数が存在する、あるいはκ>1となるような自然数の組は限られた個数しか存在しない、というような内容になる。かつての有名な未解決問題としては,17世紀中葉から証明の試みが続けられていたフェルマーの最終定理がある。この証明に近年成功した数学者アンドリュー・ワイルズも、abc予想の解明に取り組んでいた。abc予想が証明されればフェルマーの最終定理に非常に簡素な別証明が得られる。他の様々な未解決の問題についての解明にもつながる。また、望月教授が証明に用いた数学的手法「宇宙際タイヒミューラー理論」は、今後の整数論の研究にとって大きな手掛かりとなる。この手法が斬新なため、公開した論文についての批判や指摘を受けて修正などを進め、完成に近づいていくと考えられる。論文が認められるには、誤りがないかを審査する査読が求められるが、この論文については数年間を要すると見られている。
(金谷俊秀  ライター / 2012年)

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