税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

「税の作文の題材は決まったから、さっそく書き始めよう!」

そう意気込んだはいいものの、最初の文章をどんなふうに書けばいいのか、迷ってしまう人も多いと思います。

冒頭部分は、作文で最も注目されるところ。

添削の経験上、ここに力が入っていない文章は、残念ながら一次添削の時点で弾かれます

もしあなたが入賞を狙っているのであれば、この記事に書かれているポイントを意識しながら書いてみましょう!

税の作文の冒頭は「事実」から入ると書き出しやすい

作文の出だしは、自分とその税金が出会うきっかけとなった事実を述べていきましょう。

いちばん最初に「自分の立ち位置」が書かれていると、何も知らない添削者にとって、安心して読み進めることができるからです。

その年に話題となったニュースから始めれば、その後の展開を広げやすい

税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

具体的な例として分かりやすいのは、以下のH30年度受賞作品。

「危ないから逃げて!!」

濁流が町に押し寄せる映像とともにそう叫ぶ声がテレビから聞こえてきました。

これは今年の七月に起きた、いわゆる「西日本豪雨」のニュースでした。

私は声も出ず、ただテレビを見ていただけでしたが、町全体が濁流にのまれ、何もかもが茶色の水に浸っていた様子は、あの東日本大震災の津波をも思い起こさせる程、悲惨でした。

取っ掛かりとして、誰でも知っている「西日本豪雨」の話題からスタートしています。

まず作者がどのようにしてニュースに興味を持ち、それに関連する税金のことを調べたのか、今後の展開を理解しやすい文章ですよね。

西日本豪雨が起きてしまった事実から、

  • 被災地を復旧させるための工事費って高そうだけど、大丈夫?
  • 炊き出しとか給水車とか、避難生活の運営資金ってどうなるんだろう?

という疑問へつなげることができます。

そこまで思いつけば、あとは考えを並べて文章化すればOK。

このように、事実から始めると後に書くことが圧倒的にラクになるメリットがあります。

募集要項を見ても分かるように、テーマは考えたことが中心ですから、まずは関連する「税金と出会ったキッカケ」を書いていきましょう。

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書き出しの具体例

家の近くに橋ができたことで、生活が便利になった

税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

私の家は田んぼや畑などの自然に囲まれており、住む場所の近くには川があります。

そこには橋が無く、向こうの畑に行くためには、かなり離れた横断歩道の所にある車も通れる橋を使うか、幅の狭い板を使うしかありませんでした。

過去には近所のお年寄りが板を渡る途中、落ちてしまうこともあった危険な道。

私もヒヤッとすることが何度もありました。

そんな中、去年の春に新しく橋が出来ました。

コンクリートで出来た幅の広い新しい橋は、車は通れないものの、とても便利で安全な道です。

今では、農作業をしている方全員が利用するほどの場所となっています。

自分の住んでいるところで起きた事実から、書き出しを始めている例です。

小さい時からずっと同じ場所に住んでいる作者にとって、橋がかかる前の状況は、よく知っているはず。

地域の住民からは「10年以上も作って欲しい」と要望を出し続けていたかもしれませんし、両親や近所の人の会話から、

  • 市や町の方で税金を使ってこの橋を作るメリットがあるか
  • 他の大通りをさしおいて、優先するべきことなのか

などと「評価が低かった」ために、なかなか橋が出来なかったのかもしれません。

税金は、災害に限らず「いざという時の人の暮らしをよくするため」にも使われていることを述べていけば、OKですね。

祖父が亡くなった

税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

祖父が亡くなった。

大好きだった祖父。

口数は少なかったがよく笑う温かい気持ちで接してくれた祖父との別れは、家族全員涙でいっぱいになり、心が締め付けられる思いだった。

父と母、そして母の弟にあたる叔父が通夜、葬儀の準備を進める中、次第に言葉の中に「相続」という言葉が増えて行くのを感じた。

「相続って?そして相続に関わる税金って?」

悲しい気持ちにくれていたはずの父や母が、その言葉を頻繁に使いながら話し合う姿を見て、祖父が残したもの、それを受け取る側の流れは単純なものではないということを初めて知り驚いた。

身内が亡くなるという経験がない人にとっては、それまで相続税、贈与税などについて触れることすら無いかもしれません。

遺産を相続する場合にトラブルにならないような手段の中では、遺言書やエンディングノートなどがよく知られています。

遺言書は形式が少し面倒な部分があるようですが、エンディングノートは、もっと簡単に自分の気持ちを伝えることができるので利用する人の数が増えているそうです。

相続税の上手な対策方法や考え方があることを知るのは、大人になってからでもいいとは思いますが……

人が亡くなることは、残念ながら、必ずやってきます。

もし上記のような状況があれば、しっかりと知識として身につけられる経験として活かしていきましょう。

衝撃的な体験を書いていくのは、難易度が高い

2つの例文を紹介していきましたが、2つ目の「祖父が亡くなった」などの衝撃的な体験を書いていくのは、けっこう難しいです。

その理由は、「そんな人生に刻み込まれるような体験なんてない」って方のほうが圧倒的に多いため。

たしかに、人とは違った衝撃的なストーリーで惹きつけるような作品が受賞していることは事実です。

  • 自分の家族が怪我で入院したけど、税金に助けられて生きている
  • 弟が難病にかかったけれど、高すぎる医療費は税金でまかなってもらっている

なんていう内容も、少なからず受賞しています。

マイナスな状況から立ち直るストーリーは、読んでいる側からすると「応援したくなる気持ち」にさせるものです。

しかし、それは自分にとって人生を狂わせるほどの衝撃的な体験談があることが前提ですよね?

惹きつけるために無理にウソを書いても、やはり体験したことではありませんから、内容が薄っぺらくなるだけ。

税の作文を書いていく際には、自分の経験からネタを拾っていくようにしましょう。

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税の作文で書き出しが重要な理由

ここからは元添削者としての個人的な意見なので、スルーしてもらって構いません。。。

元添削者として、

添削者は原稿用紙すべての文章を読んでいない

税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

残念ながら、添削者は原稿用紙すべての文字に目を通しているわけではありません。

数十万編もの作品が全国から集められ、点数をつける添削者にとって、全文を読むのは時間のムダだからです。

とくに一次添削は、税務署をとおして派遣会社に委託されており、税の専門知識が何もないアルバイトによって仕分けられます。

冒頭と結論(最後のあたり)だけを見て、「これはボツ」とか「これは専門家に任せる二次審査に上げてもいい」といった具合に、テキトーに点数を決めているんですよね。

そんな素人目線でも、最初の一文だけで「あ、この作品はダメだな」とか「イヤイヤ書いたんだろうなぁ」ということは分かります。

もちろん一生懸命調べて書いたんだろうなぁ…という作品もあるんでしょうけど、冒頭がビミョーだと、受賞することはまず不可能。

なので、作文全体でまず力を入れて考えるべきなのは、冒頭部分だと断言できます。

その後のネタの方向を確認できるのに、いちばん適している場所

税の作文の書き出しはどうする?元添削者が「文章の具体例」とともに徹底解説してみた

最初の方にも書きましたが、作文の良し悪しってだいたい冒頭で決まっちゃうんですよね。

書き初めがしっかりしていない作品は、背骨のない人間と一緒です。

背骨がしっかりしていなければ、いかに筋肉という名の中身がついていようと、立つことができません。

これは文章でも同じで、文章を書いているうちに「何が言いたいの?」となることが多いですし、中身を詰め込みすぎて気づいたら文字数が多くて書ききれない!といった現象にもハマります。

最初をビシッと決めてから、内容をふくらませていくようにしましょう。

そもそものネタ選びが分からないという方は、以下の記事も参考にしてみてください。

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書き始めはしっかりチェックしよう!

税の作文の書き出しについて、まとめていきました。

ぶっちゃけ、一日で何百編と添削をしている人にとって、書き出しほど目を通している箇所はありません

今後の方向を定めるためにも、まずは冒頭部分をしっかり決めて取り組んでいくように心がけましょう!

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